見慣れたはずの街並みを 履きなれたはずの靴で歩く いつの間にか染み付いてた 消えない痣ごまかしながら もう脱ぎ捨ててしまえばいいさ その場凌ぎの言い訳でしがみつく癖 いつ手放すの 立ち止まる勇気さえなくて 簡単な力が欲しくて欲しくて 泣いてるような声は言った もう耳を塞がないで 聞こえないふりをしないで 飾らないことに怯えていたら 本当の僕は誰にも知って貰えない 夢の狭間で悲しむ君は いつかの少年の僕だった 解っているさ 本当の僕は小さくて弱くて 張りぼての僕にしがみついていないと 立ち上がることも出来ないんだ それでも歩くために 前を向くために 嘘も上手くなって 作り笑いだってホンモノに変えたんだよ いつからか 解らなくなった 本当の僕は誰なんだ 知らぬ間に糸が切れて 一人歩きしたマリオネット 操っているのが僕じゃないって 気付いた時はもう遅くて 残された「僕」はひとり ステージの裏 華やかに踊る影に怯えてた 気付けば空ばかり見上げてた 変わりゆく雲に憧れて諦めを繰り返す日々 いつ手放すの 痛みに慣れてしまうほうが 居場所だと言い聞かせる方がずっと簡単で 似合わないこと解っていながら 箱のカタチに合わないナカミを無理矢理押し込めて 片づけられた僕は 今日もマリオネット
(2017)